LESSON
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昆布出汁と精進出汁

実際に今回特定の食材にフォーカスしていくつかのパターンでうま味について考察してきましたが、調理においてうま味の活用方法はこのような知識の構築や応用でいろいろな展開が期待出来ます。そして同時に抑えておきたいのはグルタミン酸の主力となる昆布について。昆布の種類や特性を理解しておくと、様々なうま味の基本となり味覚に多様な方向性を見出してくれます。ここでは基本の昆布出汁についてと、動物性のイノシン酸を取り込めない植物性のみの食材で構成する精進出汁について実食しながら見ていきましょう。

 

昆布は国内生産の95%を北海道が占めています。産地によって真昆布(山だし昆布)、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布に分類されます。それぞれの収穫される浜によって格付けがされていて、葉の形や選別、光沢などで1〜6等まで分類されています。

昆布漁は2年生の昆布が充分に発育する夏から秋にかけて収穫され、解禁日は7月の上旬から中旬。9月上旬までの収穫初期に採られた昆布を夏採や走りと呼ばれもっとも良質なものとされています。これより後に収穫されたものはアクも強くなり風味も悪くなります。昆布は天然の他に養殖と促成栽培があり養殖では胞子を養殖縄につけ海に沈め天然同様に発育させたものを収穫する。また促成栽培は培養液で早く育成させた種苗を使って1年で収穫する。乾燥方法は天日干しと機械を使って乾燥させたものがあり、天日干しで作られた昆布は適度に水分が残るため、その水分が徐々に乾燥する工程で表面に白く浮かび上がる。

これをマンニットと呼び、うま味成分のひとつである。

昆布のうま味は出汁にする時60°Cで1時間抽出するのが良いという研究結果があります。

高温で抽出すると嫌な磯臭さやえぐみ、ぬめりなどが出て色も濁り風味が落ちます。

昆布に含まれるミネラル類や多糖類も液体に抽出し、なるべく長いストロークで火入れしゆっくりと抽出するのが良いでしょう。

 

各昆布の特徴としてうま味成分が多い順に羅臼、真昆布、利尻昆布、日高昆布となるが、うま味成分が多いほど多く抽出されるというわけではない。

羅臼昆布は組織が比較的柔らかく、うま味成分が抽出されやすいが、ぬめりの成分であるアルギン酸も抽出されやすいので、あまり長い時間の抽出には向かない。

 

 

基本の昆布出汁

水2リットルに対して昆布20g

火にかける前に20分〜1時間浸水させてから火にかける

最後に昆布出汁をベースにした精進出汁の作り方を記載しておきます。このレシピは今回学んだグルタミン酸やグアニル酸などのうま味の考察を僕なりに理解し解釈した精進出汁です。グルタミン酸を多く含む食材のひとつに菊芋があります。菊芋のグルタミン酸と松葉に多く含まれるアミノ酸、そして独特の香気成分を炒り大豆や干瓢と合わせています。